岡崎京子/うたかたの日々

tolchock2005-07-25

前から読みたかった、岡崎京子の「うたかたの日々」をヤフオクで買っちゃいましたよ。
もう、言わずと知れた(?)ボリス・ヴィアンの原作をマンガにしたヤツなんだけど、この原作の素敵さ加減を一言で書くのに、頭悩ましちゃう。つか、最初この小説自体を読むのに慣れるまでは、メチャメチャつらいから、ダメな人はホントダメみたいね。(現にウチの母ちゃんに原作貸したら、つまんないって言って帰ってきたw)
基本的には3組の若いカップルによる儚い恋愛小説。でも、水道からウナギが出てくるし、銃は、種を捲いて生えてくるもんだし、肺に睡蓮がとりついてしまう病気にかかってしまうし・・・・。そんな素っ頓狂なエピソードを、さらっと投げやりにまぶしつつ、後はこれでもかってくらい、オシャレと皮肉と言葉遊びとサルトルへの愛(笑)を、ケーキのデコレーションかのように盛り付けた、世界一悲しい小説。1940年代に書いたとは思えない。(って書いてみたけど、どう?素敵さ加減は伝わった?ホント好きなんだから!)
原作がコレだから、実際絵にしたときは賛否両論だったらしいよ。でも、俺は全然好き。原作が原作で、ふざけた描写ばかりだから、時代を感じさせないので、コランやシックが90年代風のカッコしたり、ピアノカクテルがターンテーブルカクテルになってても全然大丈夫。逆に、わかりずらい言葉遊びを省いて、原作の持つオシャレとスノッブとそこからの転落を、グッと前に出してて、いいなぁって思う。